食卓にお弁当に、あと一品って時に重宝されるきゃらぶき。
ご飯の進みも良くなりますよね~!
日本の伝統的な保存食でもあり、添え物としても大活躍します。
では「ふき」もよく見かけますが、きゃらぶきとはなにが違うのでしょうか。
きゃらぶきの実態は何なのか、佃煮とは違うのか。
きゃらぶきとふきの違いを謎解いていきますので最後までご覧くださいね!
きゃらぶき(伽羅蕗)とは?
きゃらぶきとは、「蕗(フキ)」を伽羅煮(きゃらに)にしたものです。
海老の天ぷらを具にしたおにぎり「天むす」の定番の付け合わせとしても馴染みがあり、むしろ天むすには無くてはならないものとなっているほど。
付け合わせ以外にもお茶受け、お酒のおつまみにと、主役にはならずとも影の立役者となっています。
伽羅蕗おいしいのに…みんな知らないっていう😢
みんな「きゃらぶき」ホントに知らない??
これだよ〜フキの佃煮みたいなやつだよ〜甘辛くておいしいんだよ〜 pic.twitter.com/84waLAOb22— はち(毎週日曜朝9時から) (@8_Beet) October 26, 2019
伽羅煮の「伽羅」ってどんな意味があるの?
食材を伽羅色になるまで佃煮のように煮詰めて作ったものを伽羅煮と言います。
伽羅色ってあまり聞きなれませんね。
茶色がかった黒い黄褐色を差す色で、「伽羅茶」とも呼ばれます。
「伽羅」とはベトナムやタイなど、東南アジアが原産地の沈香木の一種です。
沈香木の中でも伽羅は最高の名香として昔から特別なものと珍重されていると言われています。
また、伽羅という言葉は「良いもの」「素敵なもの」の形容としても使われ、美しい女性を「伽羅女(きゃらめ)、めでたい新春のことを「伽羅の春」と言われていたこともありました。
伽羅は縁起の良いものとして扱われていたんですね。
きゃらぶきとフキの佃煮(つくだに)との違い
きゃらぶきとフキの佃煮(つくだに)は食卓に出てしまえば今やほどんど違いはありません。
でも調べてみると少し違いがありました。
「伽羅煮(きゃらに)」と「佃煮(つくだに)」の違いで見ていきましょう。
- 佃煮(つくだに)
長期保存を目的とした煮物の総称で野菜や魚介類を醤油、みりん、砂糖、酒等で甘辛く煮しめた料理のこと
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- 伽羅煮(きゃらに)
ふき、ごぼう、しいたけなどの食材を、醤油にちょっとのみりんを加える程度の煮汁で濃い味に仕上げた料理のこと
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伽羅煮(きゃらに)は、ほとんど醤油の味つけで煮た濃い味のものだということがわかります。
きゃらぶきは昔は辛い食べ物だったようです。
時代とともに食べやすいよう砂糖なども加えて甘辛くなったものが今のきゃらぶきなんですね。
ふきとは?
ふきは日本原産の野菜で、八百屋さんやスーパーなどでも出回っているので割と手に入りやすく、自生している野生種も日本各地で多く見られます。
ふきの種類
ふきの種類は呼び名が違ったりするものの大きく分けて3種類です。
愛知早生フキ
みずみずしく柔らかいのが特徴。
きゃらぶきには一般的にこの愛知早生を使用します。
現在栽培され市場に出回っている物の多くは愛知早生で、その名が付くように愛知では
生産量が日本一。
江戸時代からふきの栽培が盛んでした。
水フキ 山蕗
京都や奈良を中心に栽培されていて、山野に自生しているものは山蕗と呼ばれています。
柔らかくて香りが強く、根元が赤いのが特徴です。
秋田フキ
柄の長さが2m、葉の直径は1mにもなる大きなフキです。
こちらは食感が固いので、砂糖漬けなどの加工品になるものが多いとのこと。
ふきは春から秋にかけてが旬とされていますが、愛知早生などのハウス栽培物は10月から翌5月頃までが出荷の時期となっています。
ふきの上手な保存の仕方
ふきは鮮度が命!
収穫後は時間とともにアクが強くなってきますのでなるべく早く茹でて下処理をし、アクを抜きましょう。
アク抜きをしたものは水を張ったタッパーなどに入れ、時々水を交換しながら一週間ほど保存が可能です。
すぐに下処理が出来ないときは葉と柄の部分を切り離し、ラップで包んで冷蔵庫に入れておきましょう。
冷蔵庫保管は1~2日ほどですのでなるべく早く下処理してくださいね。
きゃらぶきにしてしまえば冷蔵庫で約一カ月ほど保存が出来ますよ!
ふきの葉は有効成分多い
普段ふきとして食しているのは茎の部分ですが、ふきの葉も食べられますので捨てないでください。
茎と同じように熱湯で1分茹でて半日ほど水にさらし、アクを抜きます。
あとは、炒め物やてんぷらでおいしく頂けますよ。
また、ふきには強い抗酸化作用があり、脳卒中や脳梗塞などの病気の予防に高い効果があります。
中でもその有効成分は葉に多く含まれるので、余すところなく食べたいですね。
まとめ
常備菜にも保存食にもなる万能な食材きゃらぶき。
きゃらぶきとふきは元は同じものでした。
きゃらぶきはメインになることができずいつも付け合わせ程度の物と思っていましたが、実はきゃらぶきの存在は奥深く、栄養価も高いんですね。
本来のきゃらぶきは醤油で煮た濃い味付けのものということでしたので、ふきが手に入った時には昔ながらのきゃらぶきを作ってみるのもいいですね。