自分の身内に不幸があった場合、年賀状は出さないというのが一般的です。
しかし、喪中であることをどこの範囲まで知らせたらいいのか悩みますよね。
また、喪中であることを知らせていない人には年賀状を出しても良いのでしょうか?
もしかしたら、お友達や仕事の関係で、どうしても喪中でも年賀状を出したい!という場合もあるかもしれません。
意外と知られていない、喪中の際の年賀状に関するマナーを詳しくご紹介していきましょう。
喪中でも年賀状を出したい!喪中を知らせていない人に出すのもマナー違反なの?
喪中の際に年賀状をどうしても出したい状況のとき、それがどの程度マナー違反になるのか気になりますよね。
そもそも喪中というのがどのくらいの期間かご存知ですか?
まずは、喪中の期間と喪中になぜ年賀状を出してはマナー違反になるのか詳しく説明します。
1-1.喪中の期間とは
喪に服す人の範囲ですが、2親等までで3親等からの親戚に関しては、基本的には喪に服す必要はないとされています。
明治7年に公布された太政官布告(だじょうかんふこく)という法令に、喪に服す詳細な期間が定められていました。
この法令が撤廃されたあとも、現在まで喪に服す期間の目安として使用されています。
当時は細かく血縁の深さで期間が細かく決まっていましたが、当時の太政官布告で配偶者・父母の喪中期間であった13か月を基本として現在は2親等まで、
・忌引き 49日
・喪中期間 1周忌もしくは13か月
が一般的な期間です。
1-2.なぜ喪中に年賀状を出すとマナー違反なのか?
日本の喪中の概念は、神道と儒教に基づいています。
神道では、「死=穢れ(けがれ)」であるとされていました。
そのため、その穢れを外に出さないために家の中に引きこもるという風習が喪中の考え方のもとです。
現在でも神道では「死」というものを避ける立場にあることから、喪中の場合神社に入ることをタブーとしています。
しかし、神社によっては喪中であってもOKというところもあるそうなので、喪中に神社に御用事がある場合は社務所に事前に連絡をしてみると良いです。
このことからも、わかるかと思いますが喪中に年賀状を出すというのは穢れ(けがれ)を外に出すということに値するのです。
そのため、喪中に年賀状を出すのはとてもマナー違反であるといえます。
喪中を知らせていない人から年賀状が届いたらどうしたらいい?
最近の喪中のルールとして、なぜか喪中の人に年賀状を出すこともマナー違反のようにとらえられています。
しかし、実は喪中の人に年賀状を出すことはマナー違反ではありません。
もちろん、相手から喪中の知らせをもらっており、その中に年賀状を出すのも控えて欲しい旨が書いてあった場合別ですよ。
【寒中見舞いを出す】喪中のお知らせをしていない人から年賀状が届いた場合
喪中のお知らせを自分が出していない人から年賀状が届いた場合は、【寒中見舞い】を書いて出すのが通例です。
寒中見舞いを贈る期間は、松の内が明けてから立春までの間になります。
年賀状を貰った人に寒中見舞いを出す場合は、1月8日~2月3日までに出しましょう。
しかし、関西の方では古くからの風習で松の内が明けるとされているのが1月15日のため、1月15日を過ぎてから寒中見舞いを出しましょう。
まとめ
喪中というのは、どれだけ時代がかわろうと故人を悼む(いたむ)期間であることはかわりません。
大事なのは慣習や風習ではなく、気持ちであるということを忘れてはいけません。
年賀状を出すという行為も、同じく新年を祝う言葉で、昨年の感謝を述べ新年の厚情をお願いするという気持ちが一番大事なはずです。
喪中であれば確かに新年を祝うというのは不謹慎です。
しかし、それ以外の感謝と厚情のお願いは別に年賀状でなくても出来ることではありませんか?
形にこだわるのではなく、気持ちを伝える手段はなんであっても良いと思います。