古くから固有の伝統行事を大切にしている日本。
2月の代表的な行事といえば、何でしょうか?
そう、節分です。
節分の時に行うことといえば、豆まきや餅まき、恵方巻を思い浮かべることが多いかと思います。
でも、それだけじゃありません。
節分になると、チクチクした枝に魚の頭を刺したものを玄関先に飾っている家を見かけませんか?
これは何なのか、何のために飾るのか。
今回は、その正体と、飾り終わりの処理方法までを解説していきます。
節分に魚の頭を玄関に飾る理由は?魚の種類は何?
節分になると見かける、チクチクした枝と魚の頭の正体は・・・
ヒイラギの小枝と焼いたイワシの頭です。
“柊鰯(ひいらぎいわし)”と呼ばれるもので、ヒイラギの小枝に焼いたイワシの頭を刺して玄関に飾ることをいいます。
飾ることで魔除けになるという、日本の古くからの風習になります。
風習とはいえ、どうしてヒイラギとイワシなの?
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どうしてヒイラギとイワシなんでしょう?
他の枝や魚ではダメだったのでしょうか?
理由がちゃんとあるんです。
まずはヒイラギ。
ヒイラギの葉っぱにはトゲトゲがありますよね。
このトゲが鬼の目を刺すので、門口から鬼が入れないようにするためと言われています。
そしてイワシ。
イワシを焼くとモクモクとたくさんの煙が出てきて目にしみたりします。
匂いもなかなかのものです。
このイワシを焼いた時に出る煙と匂いが鬼は大嫌いだから、鬼が近寄らないように飾ると言われています。
鬼が嫌いな煙と匂いで鬼を近づけないようにし、もし近寄ってもトゲでトドメをさして入れないようにする!!
なんと、ダブル攻撃で最強の魔除けだったんですね。
鬼さんきっと逃げていきます!
魔除けの他にも、厄払いや病気や悪いもの全般を遠ざけるおまじないとして、古くから日本各地に広く伝わる風習なのです。
参考記事:節分の昔の風習と今の違いは?豆まきや恵方巻き、入り豆の理由や掛け声の違い
柊鰯(ひいらぎいわし)の作り方と飾り方
柊鰯のことがわかってきたところで、今度は実際に作ってみましょう。
作り方は簡単です。用意するものもいたってシンプル。
柊鰯(ひいらぎいわし)の作り方と飾り方
【用意するもの】
- イワシの頭
- ヒイラギの小枝
【作り方】
- イワシの頭をこんがり焼き上げます。
- 一匹丸々焼いて、頭を切り落とすのでもOKですよ。
(焼いたイワシは、余すことなくおいしくいただきましょう) - 焼き上げたイワシの頭を、ヒイラギの小枝にブスっと刺す。
- するとあら不思議、もうこれだけで完成です!
出来上がった柊鰯の飾り方としては、地域によって色々な飾り方があるようですが、伝統的な飾り方をいくつか紹介します。
柊鰯の飾り方
- 玄関先にそのまま置いて飾る
- 玄関の戸口にひもで吊るす
- 花瓶に刺して玄関に飾る
外に置きたくない場合もありますし、その家に合った飾り方をするのもいいかもしれませんね。
柊鰯はいつからいつまで飾るの?飾り終わった後はどうするの?
さあ、柊鰯の作り方と飾り方がわかったところで、いつ飾り付けましょう。
この記事を読んでいただいて、今すぐにイワシを買いに行こうと思っているのなら、ちょっと待って下さい!
飾る時期も、飾り方同様に地域によって色々と違うようですが、
『節分の当日に飾り、翌日に取る』が一番良いとされています。
柊鰯の飾る日は地域によって違う
地域によって次のように色々なやり方があります。
- 節分当日に飾り、その日のうちに取ってしまう
- 小正月の翌日から節分まで飾る
- 節分の当日に飾り、次の節分まで飾っておく
そんなこんなで、イワシは節分の直前に買いに行った方が新鮮で良いかと思います。
さて節分が無事に終わり、次に気になるのは、飾り終わった柊鰯をどうすればいいのかということ。
ゴミ箱にポイっと捨てるのは止めてください!
一般的には、役目を終えた柊鰯に塩を振り清めた後、半紙や綺麗な紙に包んで燃えるゴミとして捨てるか庭に埋めるといいようです。
魔除け・厄除けとして家を守ってもらったのですから、適当に捨てずに感謝の意を込めて処分することが大切かと思います。
まとめ
節分に魚の頭を飾るなんて何のつもりだ?と思ったあなたもスッキリしたでしょうか。
時代と共に、こういった伝統を守り、飾り付ける家が減ってきているのが現状です。
でも、古くからの伝統を守り、魔除け・厄除けを願う気持ちを大切にしていきたいものですね。