人生で初めて鳥羽の地に降り立ったのは、小学六年生の初夏の時分。
うちの小学校、修学旅行が伊勢だったんですよ。
しかしながら、困ったことに……旅行の内容、全く覚えていないのです!
うっすら覚えているのは、笑顔が眩しい海女さん。
伊勢神宮の巫女さん。
あとバスガイドのおねーさん。
今の僕が、あの頃の自分に一言だけ物申すとするならば、答えはひとつ!!
ちゃんと水族館を観とけやボケェ!!
トバスイこと鳥羽水族館と言えば、日本最大級の生体飼育数を誇る老舗中の老舗。
神社で例えると伊勢神宮クラスのレジェンド水族館です。
もうすぐ四十路リーチなオッサンの僕がですよ、なんか黒っぽくてヤバイ組織に薬を飲まされて、見た目は子供で頭脳はオッサンな江戸川風味の姿になったとします。
するとどうでしょう!?
鳥羽水族館での魚撮行為に勤しむ小学生の誕生ですよ。
これは間違いありません。真実はいつもひとつ。
(あの頃は、水族館とか少しも興味無かったからなあ。タカアシガニは好きだったけど。タイムボカンのメカっぽくて)
さて、そんな昭和のマセガキも今では立派な社会人。
財布の中に諭吉を一枚詰め込んで、行ってきました鳥羽水族館。撮ってきましたアレやコレ!!
今回は、トバスイで暮らす約1200種類の生き物の中から、これだけは観ておくべきだという生き物達を幾つかご紹介いたします。
「この仕事が片付いたら、俺、人生で初めて鳥羽水族館に行くんだ」というビギナーさんには予習の意味合いで、
「とばすい?庭みたいなもんじゃよ?」と片眉を持ち上げながらニヒルな笑みを浮かべている常連さんには、知っているとは思うけど復習ということで。
ちょっと片寄ったチョイスかもしれませんが、温かい目で読んでいただければ嬉しゅうございます。
ネットの口コミで一躍有名に、鳥羽水族館のダイオウグソクムシ水槽!
今でこそ、みんなが知っている人気のキモカワ(気持ち良い可愛さの権化)グソクさん。
サングラスをかけたような悪役風の表情なのに、全身のフォルムはダンゴムシ。
そんなギャップが素敵な深海の掃除屋(スイーパー)を一躍有名にしたのは、まだ記憶の新しい絶食さんではないでしょうか。
インターネットの某ニコニコしてしまう動画サイトで紹介されて、最終的には新聞や地上波にも顔を出してしまった絶食ダイオウグソクムシ。
6年間絶食を続けていた彼(1号さん。あるいは1号たん)が、静かに暮らしていたのが実はこの鳥羽水族館。
残念ながら、彼は既に天に召されてしまわれたのですが、その功績をたたえて巨大レプリカが展示されています。
実物のダイオウグソクムシは、深海生物という事もあって暗所に展示されていて、細部まで観察するのは難しめ。
その上、どこかに隠れていたり、水槽の隅でじっと座っていたり、顔を見るのは至難の業。
他の水族館でも同様。なぜか僕がカメラを向ける時はそっぽ向いています。嫌われてんのか?
僕が行った時も、ほとんどのダイオウグソクムシは隠れていました。
しかし、何やら不思議な物体が水槽の中に……。
えっ!?マジですか!?ダイオウグソクムシの脱皮殻!?
これも珍しい現象で、今回は後半分だけですが前半分も脱皮することが出来れば、飼育下では世界初の快挙!
ジュゴンのいる水族館は世界に4か所だけ。絶対に外せないジュゴン水槽!
鳥羽水族館といえば、彼女を語らずにはいられない。
ジュゴンを飼育している水族館は全世界にたったの4箇所だけしかありません。
インドネシアのシーワールド、オーストラリアのシドニー水族館、シンガポールのアンダーウォーターワールド。
そして日本は三重県の鳥羽水族館!愛称はトバスイ!!
めちゃくちゃ貴重なんです。生きたジュゴンを見る機会って。
たぶんだけど、パンダを見るよりも難しいんですよ!
南紀白浜に行けば、たくさんいるからね。アドベンチャーワールドに。
ジュゴンといえば、人魚のモデルとなった逸話が有名な生き物ですが、その逸話の影響なのかな?
肉や皮を目的とした乱獲に次ぐ乱獲で、今では絶滅危惧種。
だから貴重…っていうのも人間側の勝手な言い分ですけどね。
まあ、本人(?)はいたって気にしていなさそうなので、気兼ね無く優雅な泳ぎを眺めさせて頂きました。
しかし、アレだねぇ。
ジュゴンには失礼だけど、人魚と言えばリトルマーメイドな路線を想像してしまう僕のような輩から見ると、これはフトルマーメ…あ、いや、何も言うまい。
野菜をモシャモシャ食べている様子は、見ていてとても和みます。
癒し系って言うやつですかね?僕、疲れているんですかね!?(笑)
1日にため息が20回も出た次の日は、みなさんジュゴンに会いに行きましょう。
そしてこの、全てを優しく包み込むような表情をじっと見つめてみましょう。
50年後には日本から姿を消す!?ジュゴンに次ぐ貴重な生き物ラッコ!
ご存じですか?
条約が出来て海外からラッコを輸入することが禁じられた今。
日本には、ラッコがたったの8頭しか残っていないのです。
2018年。
鳥羽水族館には、雌雄ペアのラッコが暮らしておりました。
しかし、冬を前にしてオスのロイズ君が亡くなりました。
今は女の子のメイちゃんのみ。
可愛いんだけど、なんだろ…彼女を直視出来ない自分がいます。
ですが、せっかく鳥羽まで来たのです!
直視出来なくとも、写真は撮るべし!撮るべし!
…って、こっち向いてくれないし!!
飼育員さんと一緒の時などは、元気な姿を見せてくれるみたいなので、興味のある方は是非!たぶん混んでるけど!
お子様連れの方ならば、尚更。
関東の方は必須項目です。大洗のラッコも去年お亡くなりになられているので、今の関東圏にラッコは一頭もおりません。今の子供達が大人になったとき、ラッコを観ることが出来る場所が日本に残されているのでしょうか。
そう考えると、会える内に会っておいた方が良いと僕は思います。
…あ、実はですね!わが地元の須磨水族園にもラッコが2頭いますので、是非お運びを(宣伝)
写真は須磨水族園の明日花ちゃんです。可愛ぇぇ…!!
男子が好きそうなメタルブルーのザリガニ!海外ではご馳走のマロン・ロブスター!
鳥羽水族館には決められた巡回ルートはありません。
広い建物の端から端までを一本の太い通路で貫き、そこから枝分かれをするような形で、様々な展示室が設けられています。
お客さんは館内を自由に動き廻る事が出来るので、往来が途絶えないメイン通路はさながら大型ショッピングモールのそれに近しい。
僕は日曜に行ったんだけど、イオン感が半端なかった!
家族連れから若者アベック、外国人旅行客。
賑わい溢れる通路の片隅に、真っ青な奴等がいた。
某ロボットアニメを見て育った健全な男子なら、この色合いを見て思い出す物があるだろう。
無いとは言わさない。ザブングル?あんた渋いねぇ!
通路に面して設けられた和風テイスト溢れるブース。
そこに居るのは、僕も小学生の頃に飼っていた事がある身近な甲殻類、ザリガニです。
外来種であるアメリカザリガニや、ちょっと小柄な日本のザリガニ。
ちょっとしたペットショップに行けば観ることが出来るような水槽の隣に、青々と輝く幾つかの塊。
それが、マロンです。
正しくは、マロンロブスター。
名前のイメージとは全く違う真っ青なお姿ですが、このマロンとは「食用」という意味合いで使われている言葉なのです。
僕は試した事が無いのですが、味は伊勢海老やロブスターに近く、大変美味。
その為、海外では高級食材として提供されています。
ちなみに茹でると赤くなります。
青い巨星が、赤い彗星に変わる訳ですね。
ランチにもオススメ!鳥羽水族館内レストラン・ベイサイドの伊勢カレーうどん!
最後に、一介のカレー好きとして伝えたい事があるので、耳の穴をかっぽじいて御清聴下さい。
やわもち伊勢うどんに、カレー。
大いに、アリです!!
以上。現場(食堂)の花隈でした!!
住所/〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽3丁目3−6 鳥羽水族館
営業時間/9:30~16:30(7/20~8/31の夏休み期間は9:00~17:00)
電話番号/0599-25-2555
まとめ。自分の「好き」が見つかる、飼育種類数日本一の鳥羽水族館へ!
今回、僕が取り上げた生き物たちは、猫の額程度も無いごく一部です。
日本一の飼育種類数は伊達ではありません。
トバスイの中を歩いていると、色んな生き物達と出会えます。
ペンギンもいるし、カピバラもいる。
少し探せば、フラミンゴだって出てくる始末。
日々の生活の中で「はぁ」と溜め息をつくことが多い人、仕事や勉強を頑張り過ぎる人は鳥羽水族館に足を運んでみて下さい。
別にジュゴンじゃなくてもいいんです。自分が「好きだ」って思える相手が目の前にいてくれるのなら。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
この他にも水族館やらカレーやら、駄文散文書き連ねておりますので、良ければ読んであげて下さいね。
それでは、また別の記事の上でお会い出来ることを祈って、さよーならー♪