ひな祭りに飾る雛人形を想像する時に、ひな壇に敷く赤色の布を思い浮かべる人も多いはず。
赤色が入るだけで、部屋全体がパッとハレの日の空間に変わりますものね!
このひな壇の赤色の布のことを「緋毛氈(ひもうせん)」と呼ぶのですが、実は赤色にはちゃんとした意味合いがあるのです。
ここでは、ひな祭りのひな壇が赤色の意味合いを詳しくご紹介します。
子供がなぜ?と聞いてきたときに困らないためにも、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ひな祭りのひな壇が赤色の意味合いは「魔除け」
緋毛氈(ひもうせん)の緋(ひ)は「鮮やかな赤」という意味があります。
では、なぜ赤なのでしょうか?
ひな壇の緋毛氈(ひもうせん)が赤いのは、「魔除け」を意味しているからです。
雛人形には身代わりになる効果がある
そもそも、なぜ桃の節句になると雛人形を飾るのかというと、雛人形のお内裏様がその子の厄やけがれの身代わりになってくれるから。
つまり、女の子が厄で苦しむことなく健やかに成長できるように、見守ってくれるという意味合いがあるのです。
この厄除けにちなんで、雛人形に敷く布の色も魔除けの「赤」を使っています。
ちょっと思い出してみてください。
神社の鳥居も赤色ですよね。
これも、神社にお邪魔する時に悪霊や厄が神社の中まで入ることを防げるよう、赤色で塗られているのです。
赤色のひな壇ではなく、黒の漆塗りの壇はNGなの?
今の時代はバリエーションが豊かになってきて、緋毛氈(ひもうせん)ではなく黒塗りのシックな木製段や紫色の布を使うひな壇もあります。
特にコンパクトな雛人形になると、緋毛氈(ひもうせん)が使われていないことも多くなってきましたね。
- 「黒塗りを購入したから魔除け効果が薄れる」
- 「紫色の方が赤色よりも格式が高い」
などと思う人もいますが、実際はそうではないので安心してください。
赤色は魔除けの意味合いがありますが、ひな人形の場合はお雛様が女の子を守ってくれます。
好みで黒の漆塗りの壇も問題ありません。
ひな壇に赤の緋毛氈を使うメリット・デメリット
「赤いじゅうたんもいいけど・・・他のも気になる・・・」という方に向けて、緋毛氈(ひもうせん)のメリット・デメリットをお伝えします。
緋毛氈(ひもうせん)を使うメリット
緋毛氈(ひもうせん)を使うメリット
- 劣化によるひび割れがない
- 収納する時に場所を取らない
- ホコリが目立たない
木製段は温度の変化によって、ひび割れを起こす可能性もあるので、緋毛氈のように安心してずっと使い続けられるのはありがたいですね。
また、黒や紫だとホコリがすごく目立ちます・・・。
毎週のように掃除しないと、ちょっと雛人形が可哀想に思えてくることも・・・。
毎回の掃除のことを考えても、緋毛氈は使いやすいはずです。
緋毛氈(ひもうせん)を使うデメリット
では、デメリットは?
正直、あまりデメリットはないのですが、敢えて言うなら色褪せする可能性があることです。
ここで、「緋毛氈(ひもうせん)を買い替える時って高いんじゃ・・・」なんて心配する人もいるでしょう。
しかし、緋毛氈(ひもうせん)はそれほど高くはなく、通常なら1万円も払えば十分におつりが来ます。
また、私も緋毛氈(ひもうせん)を毎年出していますが、使い続けて40年近くになるけど全く色褪せすることはありません。
そのため、色褪せする可能性もあることはあるけど、そこまで気にする必要はないと考えます。
最後に
このように、ひな祭りのひな壇が赤色の意味合いには、「魔除け」という効果があります。
可愛い子供や孫が、厄を背負うことなく健やかに成長できるよう、ひな壇全体でその子を見守っているということですね。
ただ、今は赤い壇にこだわらず黒の木製段や紫の布など色々あります。
「赤にしようか迷っている」というご家庭も多いでしょう。
これは私の個人的な考えなのですが、子供や孫に雛人形を出す意味をしっかりと伝えたいと考えている場合は、緋毛氈を購入してどんな意味があるのか伝えてあげるといいと思います。
一生に一度の雛人形、絶対に悔いのないものを選びたいですね。